中文诊所ー疑問質問に答え、間違いを訂正する
1、歌と声調
このような質問がありました。「中国語は声調が大事だと言うけど、歌を歌う時に声調はどうなっているの?」
答えに困りました。笑
確かに、歌を歌う時には声調が無視されていますね。歌は語りだと言っても、やはり歌になると、声調はメロディーとともに変調します。それでも、意味が分かりますね。なぜでしょうか。
いろいろ無理やり考えてみました。皆さんはどう思いますか?一緒に考えてみましょう。
1)どの国の歌でも同じですが、歌は声調と関係ないのではないかな。(強引ですか?) 日本の名曲「赤とんぼ」もその好例でしょう。「あかとんぼ」の単語の発音と、歌の中の「夕焼け小焼けの赤とんぼ」の「赤とんぼ」の発音が明らかに違います。でも、聞いていて分かりますね。中国語も同じでしょう。英語の歌もスペイン語の歌も皆同じではないでしょうか。
2)歌は繰り返し繰り返し歌われるから、意味が分かるようになります。一度だけで覚えてしまう歌詞ってありえる?ないでしょう。メロディーなら一度だけで覚えてしまうのはあるけど。歌詞はやはり何度も何度も練習して覚えるものでしょう。私が「紫の雨情」という歌を最初に歌った時に、なかなか覚えられなくて、100回もCDを流して、やっと覚えました。家にいた子供は「耳にタコができた」と文句を言いましたよ。もちろん、私もできましたけど。
3)そもそも声調は絶対ではないのです。中国語の普通話は北方の方言をベースにしています。方言ともなると、声調は実に様々です。北京の方言にも、普通話と違う声調がありますし、隣の河北省とかにいくと、かなりのなまりがあります。普通話しか分からない人なら、河北省に行くと、最初は違和感があり、聞き取りにくいが、一日も経っても、完全に慣れてしまいます。なまりと言っても、一定のルールに沿っなまりなので、予測できて、次第に意味も分かってきます。声調ってそういうものだと思います。
中国は方言がとっても多く、同じ普通話を喋っていても、それぞれのまなりがあります。だから、普通話に統一したほうが通じやすい。厳密に四声が正しくなくても通じないことはありません。声調声調とばかり強調して、コンプレックスを抱く必要はありません。
ただ、注意すべきことは、自分だけのなまりはよくないかな。ルールがなくて、相手に通じないから。ゼロからスタートした人は、どうせ習うなら、最初から綺麗な四声に触れたほうが得でしょう。
4)歌はやはり最高の教材です!
声調もそうですが、語学にもっとも大事なのは、「語感」だと思います。
歌は、声調や歌詞の意味などに拘らず、美しいメロディーとともに、ごく自然に、「語感」というものをを培ってくれます。是非是非歌を一曲覚えましょう。語学を何倍も楽しくしてくれるはずです。